フランス在住のエッセイスト・戸塚真弓さんのご著書を、長年、愛読しています。
とくに「パリからのおいしい話」は、20年以上にわたって、ベッドサイドの常連。
ぱらっと開いたページを少し読むと何だか楽しくなって、心地よく眠りにつけるのです。
その中に登場する、バターたっぷりの「キャトル・キャアル」を、久しぶりに作りました。
「キャトル・キャアル(Quatre-Quart=4分の4)」は、「カトル・カール」といわれることも多いのかな?
その名の通り、バター、お砂糖、卵、小麦粉の4つの材料が同量ずつ入ったバターケーキ。
パウンドケーキと同じ考え方ですね。
でも「バターの魔法」を信じる戸塚さんのレシピは、バター150g、お砂糖130g、卵100g、小麦粉100g。
…もっとバターを、と言うのは、たぶん、料理人にとっては金言である。料理や菓子に、上等のバターをたっぷり使うと、いずれもいちだんとコクや風味をまし、いっそう美味しくなる。バターの魔法である。
~「パリからのおいしい話」戸塚真弓 著(中公文庫)より
バターたっぷりのキャトル・キャアル、久しぶり(10年ぶりくらい?)につくってみました。
作り方は書かれていないので少し迷ったのですが、最初にバターとお砂糖を泡立て、卵、小麦粉を順に加えていく方法にしました。
私の場合、この方法だと生地が分離してしまいがちなのですが、今日はバターとお砂糖に対して卵が少ないせいか、よい感じに焼けたみたい…。
お味はいかがでしょう?
バターの香りが豊かで、きめ細かく、しっとり。
とっても美味しいです(^^♪。
本来の「4分の4」の配合でつくった、しっかり、でもさらっとした口どけのケーキも好きですけれど…。
このリッチな風味と柔らかさは、やはり「バターの魔法」でしょうか。
今日は、ミルキーでさわやかな、よつ葉の発酵バターを使いました。
お茶は、ダージリンセカンドフラッシュ。
キャッスルトン茶園の中国種( 2021年 DJ146・ルピシア)にしました。
The ダージリン、と言いたいような、くっきり華やかなマスカテルフレーバー。
軽い渋みと香ばしさ、透明感のある余韻。
非の打ち所がないセカンドフラッシュですね。うーん、さすが。
もちろん、バターの風味たっぷりのキャトル・キャアルには、この上なくぴったりでした。
今年のルピシアは、春摘みに続いて夏摘みも、キャッスルトン茶園の中国種とクローナル(ムーンライト)がそろっていてうれしい(^^♪。
夏摘みのムーンライトはまだ開封していません。楽しみ…。
考えてみると、「パリからのおいしい話」は、私が最初に出会った「グルメ本」だったかもしれません。
戸塚さんならではの視点や、ちょっとくせのある文体が好きで、長年、読み返すうちに、私の食の好みにずいぶん影響しているような気がします。
バターへの偏愛は、間違いなく、その一つ。
残念なのは、お酒がだめな私は、戸塚さんの本領であるワインを味わうことができません…。
ワインが何よりも好きな夫からは、「こんな愉しみを知らないなんて…」といつも憐れまれています(^^;)。
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