If the fairies come to tea, how very jolly that would be! They’d say “Hello”. I’d say “Come in”. And then the fun would all begin...

東京都庭園美術館・建物公開と「アール・デコの貴重書」

東京都庭園美術館で、年に一度の建物公開が行われています。

旧朝香宮邸として建築されたアール・デコ様式の建物は、それ自体が美術品。

心ゆくまで鑑賞してまいりました(^^♪。

併せて展示されていたアール・デコ期の貴重な資料も、とても興味深いものでした。

東京都庭園美術館 | TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM

建物公開2022 アール・デコの貴重書展では1920-30年代のアール・デコ期の貴重書に着目します。東京都庭園美術館の建…

朝香宮邸の竣工は、1933年。

1920年代、アール・デコ全盛期のフランスに滞在された朝香宮ご夫妻は、帰国後、その様式美を贅沢に取り入れた邸宅を建てられました。

特に妃殿下の允子内親王は、自ら積極的に取り組まれたとのこと。

設計・建築には宮内省内匠寮の技術の粋が結集され、主要部分の内装は、フランスの著名芸術家アンリ・ラパンが担当。

日仏の美意識がとけあった邸宅は、日本の代表的アール・デコ建築と言われているそうです。

詳しくは▼

東京都庭園美術館 | TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM

東京都庭園美術館についての詳しい解説をご覧いただけます。…

戦後は、首相官邸や迎賓館などとして使われた後、1983年、東京都庭園美術館として開館。

私のような一市民が、入れるようになったわけです(^^♪。

大好きな美術館のひとつで、たびたび訪れてきました。

ではまず、正面玄関。

ルネ・ラリックに特注したという、美しいガラス製の内扉。

床には、天然大理石のモザイク。

邸内に入りますと、最初に目を引くのは「香水塔」です。

上のうずまき部分が照明になっていて、宮邸時代には、その熱で香水を香らせ、お客様を迎えたのだとか。

華麗な大客室へと続いています。

展覧会の際にはカーテンが閉じられていることが多いのですが、今回は建物が主役。

すべて開け放たれて、明るい光にあふれています。

写真撮影OKでしたので、たくさん撮ってしまいました。

大客室のシャンデリア。ラリック製です。

幾何学的なお花のデザインが、かわいい(^^♪。

このお部屋はまるで、アール・デコの見本市のようです。

大客室の向こうは、大食堂。

こちらの照明も、ラリック製。パイナップルとザクロがモチーフなのだとか。

半円形に張り出した窓の下には、お魚が回遊…。ラジエーターカバーなのだそうです。

そして…。

テーブルセッティングも素敵だわ…と、あら?

わが家でも前に使っていた、ジアンのチューリップ!

縁取りのデザインなど、言われてみればアール・デコ。

数か月前、食器棚の整理をしたときに手放してしまったことを少し後悔しました(^^;)。

結構、お気に入りだったのに▼

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…横道にそれました。

宮家のプライベートな生活空間だった2階へ上がります。

殿下の書斎。なんてスタイリッシュ…。

絨毯、テーブル、椅子も含め、すべてアンリ・ラパンのデザインとのこと。

妃殿下や、若宮、姫宮のお部屋も、それぞれとても素敵なのですが、中でも心惹かれるのは、図書室。

静謐さがただよう図書室。憧れます…。

それから、殿下・妃殿下のお部屋からだけ出ることのできる、ベランダ。

お2人はどんなお話をされたのかな…などと想像をかきたてられます。

他にも、各お部屋の照明やラジエーターカバーなどなど、隅々まで凝ったデザインのめじろ押し。

写真も数えきれないほど撮ったのですが、きりがありませんので…。

展示されていた当時の資料も、とても楽しく、興味深く。

こちらは、朝香宮ご夫妻がご覧になった、1925年「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(アール・デコ博)」の、日本ブースのパンフレット。

和綴じ風になっていたりして、とってもおしゃれ(^^♪。

こちらは、当時のフランスのファッション誌。

そういえば、「ダウントン・アビー」の後半は、この時代。

女性陣の衣装は、まさにこんなスタイルですね!

そして、主に2階の壁紙に採用された、ドイツのテキスタイルメーカー・サルブラ社「Tekko」シリーズの見本帳。

姫宮のお部屋の壁紙は、竣工時のままなのだそうです。

それから何と、当時の朝香宮家の領収書なども…。

エルメスでたくさん、お買い上げになったようです。

大正14年といえば、関東大震災からの復興途上ですよね。

そんな国難のときに、皇族がパリで贅沢三昧というのはいかがなものかという気もしますが、でもそれがなければ、この邸宅は生まれなかったわけです…。

まさか100年後にお買い物が公開されてしまうとは、夢にも思われなかったことでしょうね(^^;)。

本館をほぼ2周、新館での展示(こちらも楽しかったです)もみて、さすがに疲れたのでカフェで休憩。

「ココ・パルファム」という期間限定のケーキをいただきました。

アール・デコっぽい、素敵なルックス(^^♪。

ココナッツのムースのなかに、パイナップルのジュレ、だったかな?

とても美味しかったです。

プレートの模様はもしかして…階段の横にあったアイアン装飾から?

最後に、ちょうど公開されていたお茶室も拝見。

清々しい青楓の下をくぐって、出口へ向かいました。

時間指定予約をしてうかがいましたが、すいていたこともあって、ずいぶんと長居をしてしまいました。

素敵なお部屋をめぐりつつ、いろいろなことに思いをはせました…。

アール・デコに魅せられ、邸宅の建設に力を注がれた允子内親王は、完成後わずか半年ほどで他界。

また十数年後には、皇籍離脱となった朝香宮家の方々も、この邸を去ることになります。

残された邸宅は、90年余りの時を経ても、当時の美しい姿をとどめ…。

その空間に、いま私が立っていることの不思議。

 

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